支えられてきたからこそ支える、または、多国籍団地のこと。

2014-04-27

またまたテレビの話である。NHKの特報首都圏は好きな番組である。キャスター(斉藤孝信)のせいか、番組制作者のせいかわからないがメッセージ性があり、見ていて強い印象を受ける(http://www.nhk.or.jp/tokuho/program/140425.html)
最近、外国人との共生をテーマにいちょう団地のことを取り上げていた(いちょう団地の今 横浜共生への20年 2014年4月25日)。いちょう団地といえば、横浜市泉区と大和市の間にあるが、すぐ近くである。
住民の25%が外国人なのだそうである。学校にいたっては学校は75%が外国人なのだそうである。日本人の居住者は高齢化して、あまり学校にあがる年齢層は少ないらしい。
団地における共生のために日本人側・外国人側の様々な努力を紹介していた。学校の工夫、自治会の試み等、最初はおっかなびっくりであったが、営々と20年以上にもわたって交流を続け、現在では団地の重要な担い手となっているらしい。
これはそうそう簡単にできるものではない。仕事で依頼者として、あるいは相手方として外国人(その中には団地の人も含まれる)と接することがあるが、コミニケーションは決して簡単なこととではない。いうにいえない努力があったし、これからもあるだろう。印象であるが、日本における外国人社会はかなりの分極社会で、日本人以上に日本人的な人もいるが、アウトサイダー化した人もいるように思える。そして、アウトサイダー化した人ばかりが注目を集める(インターネットでいちょう団地を検索してみると批判的な記事も目に付いた)。
そのような困難な状況で、団地で育った若者(中国人・ベトナム人?)が自分を育ててくれたものに恩返しをするという言葉が感動的である。なるほど、支えられてきたからこそ支える。そのようなシステムを作ったからこそ、人はこれに報いる気になるのだろう。社会の制度設計を考えるにあたって人によい行為を促すシステムを設計することの大切さを思う(山森良一)。
以下、番組の紹介記事である。
                記
放送開始30年になる特報首都圏。
新年度3回目は、17年前に取材をした横浜の“多国籍団地”「いちょう団地」の今を見つめます。
人口減少社会を迎える中で、どう外国人と向き合って暮らしていけばいいのか、そのヒントを探ります。
近隣に難民の定住を支援する施設があったため、「いちょう団地」には平成に入ってから多くの外国人が暮らしています。
現在は12か国、全世帯の4分の1を占めるまでになりました。
17年前の特報首都圏では、急増する外国人住民と日本人住民との間にあつれきが生じるなど、自治会の苦悩が描かれていました。
そして今。
団地では、「いちょう小学校」がこの春に統廃合するなど、日本人住民の少子化が進む一方で、外国人住民の第2世代と協力して、草取りや防災などの自治会活動を行い、ともに暮らす姿がありました。
長年にわたる団地の共生への取り組みを見つめます。

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