Author Archive
「戦争で死ぬ、ということ」(島本慈子 岩波新書)またはいくつかのこと
横須賀美術館に行く機会があり、美術館のある観音崎公園を回った。予想以上に戦争の名残を感じさせるところであった。日露戦争のころにつかったという砲台跡がたくさんある。(みることはできなかったが)トーチカ跡もある。船員の戦没者碑がある。6万人が... (Read more)
格物致知、または、「らいは不治にあらず~ハンセン病 隔離に抗した医師の記録」(NHKETV特集)
絶対隔離の反対した小笠原登の記録である。当時の法律によればハンセン病患者を発見した場合、通報し、施設に送らなければならなかった。これに合理性がないとして学会で異論を唱えたが受け入れられなかった。確信のある小笠原はハンセン病患者を敢えてハン... (Read more)
人間の主体性または障害者のこと
偶然、障害者を主人公にした番組を続けて3つみた。NHK TED「僕は目覚めたのに 誰も気付かなかった」(マーティン・ピストリウス)、NHKETV特集「生き抜くという旗印~詩人・岩崎航の日々~」 わずかに動く指先でつづる五行歌、NNNドキュメ... (Read more)
政治に距離を置く個人を確保する制度の重要性、または、「故郷の村で」(BSドキュメンタリー)
1992年ボスニアで民族浄化があった。ボスニアにはボシュニアック人(イスラム系)、セルビア人、クロアチア人などの民族で構成される多民族国家であった。ひとたび、民族主義の嵐が吹き荒れると、昨日まで少なくとも通常の関係にあった隣人を民族が異なる... (Read more)
真摯な言葉または「肺がんサバイバー余命宣告6年命の記録」(NHK)
肺ガンにかかり余命10ヶ月と宣告されたテレビデレクターの物語です。余命宣告から6年間生き延びた闘病記録を番組にしました。番組の端々から一筋縄では行かない人だなと感じさせる方で、多分厄介な患者なのだと思います。 番組の中で、医者から「1日1日... (Read more)
またまた無学な話または「止まるを知りて后定まるあり」
「大学」第1段第1節2段落目書き下し文 ①止まるを知りて后定まるあり。 ②定まりて后能く静かなり。 ③静かにして后能く安し。 ④安くして后能く慮る ⑤慮りて后能く得。 ⑥物に本末有り、事に終始あり 先後するところを知れば、則ち道に近し につ... (Read more)
「戦時中帝都治安の一線で不惜身命戦いにけり」または「戦争と検閲」(石川達三を読み直す)
「戦争と検閲」は南京事件を取材して「生きている兵隊」を書き新聞紙法違反に問われた石川達三について書いた岩波新書の題名である。著者河原晶子は朝日新聞記者である。 1938年石川は南京事件での見聞をもとにしてつくった「生きている兵隊」が「虚... (Read more)
「叔母さん。少し寂しそうだった」またはけいすけ君のこと
東日本大地震で親を亡くした子供が1800人いることを知った。そのうちの一人の物語である。 自分以外の父母兄弟祖母を津波で亡くした当時小学1年生だったけいすけ君がいる。たまたま夫と離婚したばかりで子供のいなかった叔母が、亡くなった義弟の仕事を... (Read more)
またまた無学な話(誠意・到知・格物)
またまた畏れ多い話であるが「大学」金谷治解説を読んでいてどうも腑に落ちない。 例えば、白文 ①「欲修其身者、先正其心」 ②「欲正其心者、先誠其意」 ③「欲誠其意者、先致其知」 ④「到知在格物」 その書き下し文は ①その身を修めんと欲する者は... (Read more)
無学な話または「悪臭を悪むが如く、好色を好むが如くす」。
畏れ多い話であるがどうも「大学」金谷治解説(岩波文庫)を読んでいて腑に落ちないところがあった。 例えば、白文 ①所謂誠其意者、毋自欺也。 ②如悪悪臭、如好好色。 ③此之謂自謙。 ④故君子必慎其独也」。 その書き下し文は ①所謂その意を誠にす... (Read more)
« Older Entries Newer Entries »