優しい音楽またはNHK日本紀行「心の壁を跳び越えて」
群馬県に棒高跳び専用の練習場がある。元棒高跳びの選手だった中学校の教師が私財を投じて作ったものである。果たせなかった自分の夢を後輩に託したものらしい。
そこに、肘にけがをして治っても棒高跳びが怖くなってしまった女子高校生選手がいる。飛べないけれど練習場には顔を出し、他の人が飛ぶのをじっと見ている。飛んで見ろと言われるとできないといって拒否する。気持ちを問うと焦りでいっぱいだという。他の人が練習するのをいつまでも見つめている。
また、正規の小学校教員試験に10年間落ち続けている臨時教員の青年がいる。結婚して小さな子供が産まれ、その子供に声援されての受験である。青年は以前、棒高跳びの練習場に通っていたが怪我でやめた。十年落ち続けていると今度こそ合格するぞという気がしない。そんな青年の状況を知っている中学教師は、青年に飛んでみろという。
青年はその気になり15年ぶりに練習を再開して飛ぼうとする。しかし、腱を痛めてみたりして一筋縄では行かない。
しかし、そんな青年をみていて女子高校生は再び練習を再開する。青年の失敗してもやり続けるという姿勢が女子高生に伝わり、そのことが女子高生の何かを変えたのであろう。バックグランウンドに流れる優しい音楽が人を和ませる。登場人物の切ない気持ちや優しい気持ちが視聴者につたわってくる。以下NHKの番組紹介である(山森)。
記
にっぽん紀行「心の壁を跳び越えて~群馬 吉岡町~」
群馬県に、全国的にも珍しい棒高跳び専用の練習場がある。青春の悩みを抱える女子高生、将来の夢を諦めがちな男性。心の壁を越えようと、棒高跳びに挑む人々の思いとは。
群馬県吉岡町にある、棒高跳びの練習場には、8歳から84歳まで100人が通う。棒高跳びは、体力や才能に関わらず、ポールを操る技術を磨くことで記録が伸びるのが魅力だ。ここには、棒高跳びに託して人生の限界を跳び越えようとする姿がある。10年間、教員採用試験に落ち、何に対しても諦めがちな男性。思春期の悩みから跳べなくなり、挫折感にもがく女子高生。心の壁を跳び越えようと汗を流す、それぞれの夏を見つめた。