はっとしたこと、または、メルケル首相の難民政策

2015-12-05

 何かのきっかけでその人のことが理解できたと思うことがある。錯覚かもしれないけれど。以前から謎に思っていたことにドイツのメルケル首相が難民受け入れに寛容であることがある。イスラム系を含めた数十万人もの難民を受け入れることは半端なことではない。将来の人口問題、憲法の規定、ナチスドイツの過去の教訓等、いろいろなことがいわれるが今一つぴんとこなかった。
 しかし、NHKの映像の世紀(リバイバル)をみていたらはっとした。戦後、東ドイツから西ドイツへ何百万人単位(170万人?)の人が難民として流入した。メルケルは東ドイツ出身の政治家で、自分は難民にならなかったが、身辺に難民となった親戚友人がいたのではないだろうか。そうすると、難民になることについての感受性が違うのではないかと思った。これ政策形成の根拠とはいわないが、微妙に影響しているのではないだろうか。
 同じく映像の世紀(今度は新しいシリーズ)の第一次大戦をみていたら20世紀初頭のヨーロッパはまさに難民だらけの状態であることを知った。ドイツとフランスが戦うことによりベルギーで数百万人単位の難民が発生したということである。まさに、ヨーロッパでは難民になることは他人事ではないのであろう。
 翻って日本においても、戦後中国朝鮮などから500万人もの人間が引き上げた。これなども祖国を目指す難民であろう。そうすると日本もよそ事ではないはずなのであるが、どうも、他人事に感じられてしまうのはなぜか、考え込む(山森)。

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