教科書採択の「熱い夏」がやってきた!

2020-06-17

本年2020年夏は,2021年度以降使用される中学校教科書の採択が行われます。

ここ藤沢市では,2012年度以降,いわゆる「つくる会」系の教科書である育鵬社の歴史,公民教科書が使用されてきました。

今回採択に際し,当ブログでは(というか私は),育鵬社教科書の問題点(主に公民)を指摘していきたいと思います。(なお,当ブログには前回2015年採択時の記事もありますが,その多くは今回も妥当しますので,ある程度重複はいたします。あしからずご了承ください。)

今日は,育鵬社教科書がどんな教科書か,どのような考えで執筆されているかを知っていただくため,大阪の毎日放送(MBS)が2017年7月30日に放送したドキュメンタリー番組「教育と愛国~教科書でいま何が起きているのか~」を紹介いたします。

「政治が教育を変える-安倍首相が以前から“公約”していた通り、いま政治と教育の距離が近くなっています。軍国主義一辺倒に流れた戦前の反省から、戦後の教育は政治と常に一線を画してきましたが、ここへきて流れは大きく変わってきています。
特に歴史教科者をめぐっては保守派の政治家や団体が、特定の教科書を推奨する動きが活発化。一方で従軍慰安婦や沖縄戦の集団自決を記述した教科書に対する、組織的な圧力が高まっています。
番組では、歴史の記述をきかっけに倒産に追い込まれた大手教科書出版社の事例、また保守系の政治家が薦める教科書の執筆者が「歴史に学ぶ必要はない」という発言を紹介。さらに新しく採用が始まった教科書を使う学校への嫌がらせの実態などを通して、教育と愛国、教育と政治の関係を見つめます。
いったい、教科書はだれのものなのか…。」


(MBS動画イズムの「概要」より。URLは下記のとおり。是非ご覧ください。)

https://dizm.mbs.jp/title/?program=eizou_series&episode=9

上記に育鵬社教科書執筆者の「歴史に学ぶ必要はない」との発言がありますが,そのやりとりは次のようなものです。

問:歴史教育に,先生が一番に求められるものっていうのはなんでしょうか。
答:イデオロギーにわざわいされない,ありのままの日本の姿を,歴史的にですよ,日本の姿を,僕ら歴史学者として後世に伝えていくことだし,それは国民に教育されるべきことだというふうに思っています。
問:歴史から何を学ぶべきだと
答:学ぶ必要はないんです。
問:それはかみくだいて言っていただくと。
答:ほんと例えば何,学ぶって何を学ぶんですか。あなたがおっしゃっている学ぶ。
問:例えば,日本が,なぜ,戦争に負けたか。
答:それは弱かったからでしょう。
問:育鵬社の教科書が目指すものというのは何になるわけでしょう。
答: やっぱり,ちゃんとした日本人をつくるっていうことでしょうね。
問:ちゃんとしたというのは。
答:左翼ではない。やっぱり昔からの伝統をずうっと引き継いできた日本人,それを後に引き継いでいく日本人。
今の反政府のかなりの部分は左翼だと思いますけども。
反日,といってもいいかもしれませんね。
 

(上記番組より)

様々な問題をはらみますが,ここでは一点だけ。「イデオロギー」「左翼」に日本国憲法の価値観やその支持者は含まれるのでしょうか?      (小池)
                                            

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