5/14市民講座…「こどもたちの教科書は今」藤沢市の中学校公民教科書を読んでみよう
5月14日(月)の市民講座は,「こどもたちの教科書は今…藤沢市の中学校公民教科書を読んでみよう」です。
会場は当事務所にて,午後6時より行います(要予約)。
みなさんは,今の中学校教科書を読んでみたことがあるでしょうか?
中学校を卒業して10年以上経っている方であれば,現在の教科書が大判となり,写真も増えてカラフルになっていることに驚かれることと思います。
さて今年2015年(平成27年)は,来年度以降4年間中学校で使用される教科書が採択される年です。
前回2011年(平成23年),藤沢市で採択された中学校公民の教科書は「育鵬社」のもの。
この教科書は全国での採択率は4%である上,その内容自体,他社の教科書と比較して独特のものです。
たとえば…
1 「育鵬社」の教科書は,大日本帝国憲法と日本国憲法の内容の差をあいまいにしており,「天皇主権」のことばがありません。
したがって,たとえば群馬県の高校入試で昨春(2014年)出題された,次のような典型問題であっても対応が困難です。
大日本帝国憲法 日本国憲法
( A ) 主権者 国民
藤沢市立中学校の3年生はおおよそ3千数百人います(2014年度は3471人)が,転居等で群馬県の高校入試を受験した生徒がいなかったことを祈るばかりです。
2 「育鵬社」の教科書は,戦後日本が平和国家として歩んできた道をまったく評価せず,平和を守るのは自衛隊と日米安全保障条約だけであるかのような書き方になっています。
集団的自衛権行使を認めた閣議決定の冒頭にあるような「我が国は、戦後一貫して日本国憲法の下で平和国家として歩んできた。専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とはならず、非核三原則を守るとの基本方針を堅持しつつ、国民の営々とした努力により経済大国として栄え、安定して豊かな国民生活を築いてきた。(後略)」といった記述がないのです。
3 「育鵬社」の教科書には,「えん罪(冤罪)」の言葉がありません。
などなど,「育鵬社」の教科書は,単に採択数が少ないだけでなく,内容的にも他社と比較して特殊なものです。
市民講座当日は,各社の公民教科書(申し訳ないですが,前回採択分)を取りそろえ,教科書を実際にご覧頂きながら,あるべき公民教科書について考えてみたいと思います。
なお,参加される場合には,前日までに必ず予約をお願いいたします。
何卒よろしくお願い申し上げます。(小池)