迷走の若者達
自由法曹団の全国総会が、10月20日岩手県で約200名が参加して開催されました。私は去年に続いて参加してきました。
自由法曹団は、1921年(大正10年)当時の資本家によって弾圧されていた労働争議の救援と人権を守るために弁護士が結成した団体です。その後自由法曹団所属の弁護士は戦前には治安維持法によって身柄を拘束されたり、弁護士資格も剥奪されました。戦後になって再結集し、刑事弾圧、労働争議、基地訴訟、公害、えん罪など様々な裁判に取り組んできました。その代表的事件が松川事件です。
そうした長い歴史を経て、今や団員弁護士は約1900名となっています。最近は特に若い女性弁護士の加入が多くなっています。
この総会では、憲法と平和をめぐる改憲や集団的自衛権、特定秘密保護法の動きや非正規労働、貧困問題など現在の自民党政府が進めようとしている様々な平和と人権に対する攻撃について活発な意見が発表され、議論されました。
私は、総会参加によって、改めて認識をあらたにしたり、また頑張っていこうという気持ちになりました。
最近私が特に気にかかることは、こうした憲法の改悪の動きや、労働環境の悪化に対して、最もその影響を受けるはずの「若者たち」の関心と、こうした攻撃に対して立ちあがって闘おうとするのが目に見えないということです。
攻撃に対しては、「倍返し」で反撃しなければならないのに、どうしたことでしょう。
私はこうした状況は、若者に問題があるのでなく、若者達をそうした状況に追いやっている政府がすすめる非正規従業員の拡大や貧富の格差の広がり(貧困層の拡大)が若者達を疲弊させていると考えています。
若者達にしっかりとした将来の生活設計ができる社会にしなければ、若者達は政治はもとより平和や憲法にまで関心が及ぶ訳がありません。
皆さんと一緒に、真剣に考えていきたいと思っています。
(野村 記)