言葉について
2013-09-26
大昔、奈良時代より以前の日本には、「言霊(ことだま)信仰」というものがあったそうです。
言葉に現実をあやつる力があると考えて、「言(こと)」として発すると「事(こと)」として実現してしまう。
そのため言葉はむやみに発しては危険だと信じていたとのことです。(山口仲美著「日本の古典」岩波新書)
また西洋では、「はじめに言葉ありき」ともいわれています。
こうした信仰やいいつたえは、言葉を厳粛なものとし、その偉大な力を崇拝した人類の謙虚な姿勢があったのではないかと私は考えています。
何か清々しい気持ちになるではありませんか。
ところが、今の日本はどうでしょう。
軽薄で、意味不明な言葉の氾濫です。
テレビの中は、毎度の駄洒落の連続であります。
また、社会をリードすべき政治家にも意味不明な言葉を弄して多弁にしゃべりまくるのも多いではありませんか。
私たちは、今一度、言葉の偉大さに思いをいたして、意味のあるわかり易い言葉でお互いに語り合うことにしましょう。
(野村記)
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