法廷での名言集
今回は(も?)どうでもよいお話を…(K)
1 労働契約法を知らなかった弁護士
労働契約法が施行されて1年ほどたった頃,労働者が本人訴訟(弁護士等を代理人にしないで行う訴訟)のかたちで,解雇無効の訴訟を起こしました。
労働者は,労働契約法16条「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」を根拠に,解雇の無効を訴状で主張していたようです。
被告となった会社は,弁護士を代理人としていました。
その弁護士は,その訴訟の第1回口頭弁論期日の法廷で,強烈な一言。
「労働契約法なんて法律があるんですか!」
ずっこけた原告本人と,凍りついた裁判官…。
たしかに,弁護士も法律を何から何まで知っているわけではありません。
でも,訴状に知らない法律が書いてあれば,一応調べるくらいのことは,最低限必要ではないでしょうか。
穴があったら埋めてやりたい気分でした。
2 裁判官に質問した被告人と,被告人の質問に答えた裁判官
私が弁護した覚せい剤使用事件の被告人質問にて。
裁判官:もう二度と覚せい剤は使用しませんか?
被告人:はい! 信じてくれますか?
裁判官:はい。
冷や汗をかいた私と,なごやかムードの法廷…。
ちなみにこの被告人(女性)は警察官たちからも愛されており,公判には某署の生活安全課の刑事たちが大挙して傍聴に来ていました。
3 中立の第三者
残業代を請求した事件のラウンド法廷にて。
(※事件がある程度煮詰まってくると,通常の法廷ではなく,小さな法廷=ラウンド法廷で,膝つき合わせてのやり取りになることがあります。)
裁判官が被告会社の社長の不合理な言い分が通じないことを説明した上で,残業代の支払を促すと,社長の一言。
「中立の第三者を呼んできてください!」
絶句した裁判官と,頭を抱えた被告代理人の弁護士…。
裁判官って一応,中立の第三者だと思うのですが。