同時代におこったこと、または「シリア絶望の空の下で 閉ざされた街 最後の病院」
「どんなに困難でも解決策を見いださなければならないと思いました。ただ、正直に言えば希望なんかありませんでした。私たちはいつか全員が死ぬと思っていました。せめて運命に負けないように強くありたいと思っていました。」アレッポ最後の病院クドュス病院院長が圧倒的な患者を前にして行った決断について語った言葉である。 シリア政府軍は反政府軍支配地域に対する空爆を続けて膨大な死傷者をだした。病院まで爆撃された。シリア内戦で32万人が死に、国民の半分が難民になった。内戦は「アラブの春」をきっかけにして始まった。政治は動機ではなく、結果である、というウエーバーの言葉を思い出した。以下NHKの紹介文である(山森)。
シリア 絶望の空の下で 閉ざされた街 最後の病院
2017年3月19日(日)
午後9時00分~9時49分
“21世紀最大の人道危機”とも形容されるシリアの内戦。国民の半数が難民となり、少なくとも30万を超す人々が命を落としたと言われる。最大の激戦地が、反政府勢力が拠点としていた都市・アレッポである。
世界のメディアが現地に入れない中、この内戦は、一般市民が膨大な映像を記録・発信された初めての戦争となった。その映像には、穏やかな日常が突然奪われ、親しい人たちの命が紙屑のように失われていく様が克明に記録されている。
激戦の中、最後まで治療を続けた病院。医師も亡くなる中、残された理学療法士は、スカイプで海外の医師と交信しながら、初めてのメスを握り命を救おうとした。空爆のさなか、ツイッターで映像や画像の発信を続けた7歳の少女。「今夜死ぬかもしれない」「誰か助けて」―。少女のツイッターが突然途絶えた時、世界がその身を案じた。
番組では、発信された映像、そして、発信されることのなかった未発掘映像も入手。膨大な映像をつぶさに整理・解析しながら、その撮影者ひとりひとりをたどり、人々の身に何が起きていたのか、“戦場の真実”を浮かび上がらせていく。