間違いのない弁護士選び①-専門家の探し方

2014-07-27

弁護士の業界でも,広告が盛んになってきました。
インターネットでも,多くの事務所が広告をしています。
かくいうこのホームページも,我が事務所の広告の一環でもありますが…。

そうした広告の中で目につくのが,「○○専門」とか「○○に強い」とかいったうたい文句です。

「○○専門」をうたう弁護士の中には,本当に立派な弁護士もいて,そんな方が私と同様の料金で法律相談や受任をしていたりすると,複雑な気分です。

その一方で,特に実績はなさそうなのに,「○○専門」をうたっているのではないかと思われる場合も散見されます。

また,「実績○件」などという数字を挙げて専門性を強調する場合もあります。しかしながら,簡単な事件を何十件か処理することと,難しい事件を一件処理することで,どちらが専門性が深まるかといえば,結論は簡単ではありません。

実際のところ,どこまでいったら専門を名乗ってよいのかは難しい問題です。
(さらにいえば,専門家であることと,事件の勝利とは必ずしも結びつかないという根本的な問題もあるのですが…)

とはいえ,市民の皆さんに目安を何も示せないようでは,これも弁護士業界として不親切でしょう。
ということで,市民の皆さんに比較的容易な方法で,専門家を探す方法を私なりにお示しいたしましょう。

注意していただきたいのは,ここでお示しする方法では,もれてしまう専門家も大勢いるということです。
この方法で名前が出てこなかったからといって,その人が専門家ではないとはいえません(小池)。

1 国立国会図書館のデータベース
 国立国会図書館のデータベースには,日本の書籍の著者についてはほとんど全て,論文の執筆者についても相当数が収録されています。
 国立国会図書館のホームページ(http://www.ndl.go.jp/)のトップページにある「国立国会図書館サーチ」の検索窓に,試みに弁護士の氏名を入力すると,その弁護士に著書や論文があれば出てきます。
 日本の弁護士で,著書や論文がある人は少数派と思われますので,もしも何か出てくるようであれば,その分野での専門家である可能性は高いといえます。
 もっとも,中には専門性とはあまり関係なさそうな著書もありますので,ご注意ください。

2 判例検索サイト
 ネット上には,様々な判例検索サイトがあります。
 一般には裁判所ホームページの判例検索がアクセスしやすいですが,これでは弁護士名は出てきませんし,そもそも収録数がかなり限られています。

 そこで,第一法規,新日本法規,ウェストロー,TKC法律情報サービスなどの有料の判例検索サイトを利用してみましょう。事件をかかえておられる方であれば,きっといろいろ調べてみたくなることもあるでしょうから,入会して損はないと思います(無料トライアル期間もあったりしますが。)。

 そうした判例検索サイトのキーワード検索に,弁護士名を入れて検索してみると,その弁護士の関与した重要な判例が出てきます。
何か判例が出てくるか,出てきたとしてどのような傾向があるかで,その弁護士の専門性はある程度評価できると思います。

 もっとも,こうしたサイトでも,当然ながらそこそこ重要な事件しか収録されていませんので,判例検索サイトで名前が出ないからといって,その弁護士の専門性が低いということにはならないことにはご注意ください。
 また,代理人が大勢いる事件の場合,その弁護士がその集団の中でどの程度役割を果たしているかはケースバイケースですので,その点もご注意ください。

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