カッチーニのアヴェマリア
イタリアルネッサンス期からバロック初期の作曲家カッチーニのアヴェマリアは想い入れのある曲である。どれか一曲というと多分これになる。いつ聴いても心が洗われる思いがする。よく聴いていた。父が死んだ時も、ちょうどヘイリーが歌うアヴェマリアを聴いていた。ヘイリーのアヴェマリアのことを思うとそのときの記憶が鮮明に蘇る。いろいろなことを思いだす。そのため、アヴェマリアを聴くことができなくなった時期がある。父が死んでから7年が経過して平静に聴くことができるようになった。ただ、ヘイリーが歌うものは聴く気がしないし、多分つらくて聴けないだろう。
ところで、この曲はカッチーニの作品ではないという説があることを知った。どうも通説らしい。ソ連の作曲家で、舌の噛みそうな名前の人で古楽復興の立役者であるそうである。自作を決まって昔の作曲家の作品であるとしていたそうである。不思議な話であるが、他のカッチーニの作品には心を動かされることはなかったので、個人的には合点のいくはなしである。この甘く切ない旋律がどうしてバロックなのか。作者が誰であるか、わからないし、関心もないが、アヴェマリアが好きであることは変わらないし、忘れられない曲である(山森)。
以下引用
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%BC%E3%83%8B
カッチーニのアヴェ・マリア
実際には1970年頃ソ連の音楽家ウラディーミル・ヴァヴィロフ(Vladimir Vavilov 1925-73)によって作曲された歌曲である。
録音も楽譜も90年代前半まで知られていなかった。出典が明らかにされず、現在入手出来る出版譜は全て編曲されたもので、歌詞がただ”Ave Maria”を繰り返すだけという内容もバロックの様式とは相容れない。
ヴァヴィロフは自作を古典作曲家の名前を借りて発表する事がよくあったが、自身が共演しているIrene Bogachyovaの1972年の録音では「作曲者不詳」の『アヴェ・マリア』として発表していた。ヴァヴィロフの没後十年を経てCD録音されたMaria Bieshu(1996)やイネッサ・ガランテのデビュー盤(1994)では作曲者が”D. Caccini”と表記され、ジュリオ・カッチーニの作として広まった。