7 よくある問題点 (1)概観 

2024-01-22

7 よくある問題点
(1)概観 
 調査委員会には各分野の専門家がいるわけですから、各専門家の視点から問題点を指摘してもらうことになると思います。
 もっとも、調査報告書をいくつか検討してみると、おおよそ次の問題点にあてはまるように思います。
① 情報の共有・組織的対応が不十分
  ア 個々の教員の把握した事実、問題意識が共有されない
 イ 進級、進学時の引継ぎがなされていない
  ウ 結果として苦痛の累積・多対一の関係の看過(下記(3))
② 事実が認定できないとして対応しない(下記(6))
・事実認定も教育の一環→裁量  物証・第三者の証言がなくともよい
・それでも事実認定できないとしても、指導・支援は必要
③ 背景となる人間関係の看過
・起きたことに対する指導・謝罪にとどまり、なぜ起きたのか理由を問わない
・結果として差別的な人間関係等背景となる人間関係を看過
④ 苦痛の累積・多対一関係の看過(下記(3))
ア 小さな出来事でも積み重なると…
イ 同じだけやりあっていても多対一だと…
⑤ 自死の危険の看過
ア リストカット・自死の企図
イ 性的被害
ウ アンケート「死にたいと思うことがありますか」に「はい」
エ 楽しそうに過ごす じっくり話す  
オ 情報や問題意識の共有がない(上記①)
⑥ 「いじめ」る側の言い分への容認・同調、「いじめ」の正当化(下記(2))
ア おたがいにやり合っている
  イ やられたからやり返しただけ(下記(4))
ウ 対象児童生徒にも悪いところがある(上記2(3)、下記(5)ア)
エ ちょっとしたことなのに対象児童生徒が気にしすぎている(上記2(3))
オ 悪気はなく遊んでいるだけ
カ 対象児童が(やっても)いいと言っている
キ ただの仲違い(下記(5)ウ)
⑦ 「いじめ」はなかった・「いじめ」ではない発言
そう簡単にはいえないはず
「加害者も大切な生徒」というが、「加害」側が責任を感じて行動に出た例は?
  生徒保護を口実とした保身では?
◎知っていたのにうそを言うと…訴訟は敗け、対生徒で教員生命失う
⑧ 謝罪を急ぐ(下記(8))
  「加害」側 決着済という感覚 以後指導が浸透しない
「被害」側 納得いく説明・誠意ある態度がないと感じれば怒る
◎謝罪をさせてしまうと指導が浸透しなくなることを説明し説得を
⑨ 「モンスターペアレント」扱い(上記2(4)下記(5)イ)
ア 「モンスターペアレント」は子どもの責任ではない
イ 「モンスターペアレント」側にも通常理はある 切り分けの必要性
  ウ 単独で子を養育する保護者 SSW等による支援
   ◎存在は当然の前提
⑩ 「疑い」があっても重大事態調査をしない(上記第3の1(1))
  ◎新ガイドラインが濫用されないよう注意
⑪ 専門家・保護者意見の扱いを誤る(下記(9)(10))
⑫ 「いじめ」防止の授業や研修が表層的
⑬ アンケートへの不対応(上記⑤ウ) アンケート用紙の処分
⑭ 「寄り添う」ことの難しさ  例 下記(7)
 以上はあくまでも大まかな問題点ですので、実際の調査報告書では誰が何をすべきであったか(なかったか)、具体的に示したいものです。
 文部科学省の「いじめ対策に係る事例集」(平成30年9月)には、いじめに対する原則的対処方法や学校の陥りやすい問題が載っています。初めていじめ対策に関わる方にはお勧めです。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/__icsFiles/afieldfile/2018/09/25/1409466_001_1.pdf

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