6 学校の対応の問題点(総論)
調査委員会は「いじめ」の事実及び原因、「いじめ」と結果との因果関係、「いじめ」の対処過程を認定した上で、学校・教育委員会の対応の問題点を指摘し、再発防止策を提言することとなります。
(1)結果論
重大事態調査は、「いじめ」による重大な結果を防ぐにはどうすればよいか、同種の結果の再発を防止するにはどうすべきかを調査し判断するものです。
そして、その調査対象としては、事後的調査結果を含め現在判明している全ての情報を基礎に判断することになります。
端的にいえば結果論ということになります。(運輸安全委員会の調査と同様です。)
誰かの責任を追及するのであれば、その人が知り得ない情報に基づき非難することはできませんので、その人が行為当時に知り得た情報だけが基礎となります。
重大事態調査は、誰かの責任を追及するものではありませんのでそうした制約はなく、重大な結果を防ぐために何をすべきだったかを、現在判明している全ての情報を基礎に判断することになります。
(2)不可避は不可
その際、重大な結果を防ぐことはできなかったという結論は基本的に許されません。(この点も運輸安全委員会の調査と同様です。よほどの不可抗力でもない限り、飛行機の墜落は不可避だったとはしないでしょう。)
たとえば、些細なことなのに対象児童生徒の受け止め方に問題があるとか、対象児童生徒に非があるからといった理由で、重大な結果発生はやむを得ないという結論をとることは許されないし、学校・教育委員会が結果発生防止のための措置をとらなくてよいということにもなりません。
もちろん、ある事実について行為時に認識し得たのであれば、その分学校の対応の問題性はより大きくなるでしょう。
(3)留意点
もっとも、他で述べたとおり、「いじめ」が発生したということそれ自体は非難すべきではないこと、「いじめ」への具体的対応のあり方について法は学校の裁量に委ねていると解すべきことには留意すべきだと思います。