3 調査委員会の構成 4 保護者が調査を希望しない場合 5 再調査機関による並行調査 6 会合の場所 7 調査方針の確認

2024-01-08

3 調査委員会の構成
 平時から置かれている教育委員会の附属機関は、法第14条第3項の調査研究機能を有していることがあります(前述のとおり。たとえば神奈川県は有で相模原市は無)。
 その場合など、委員に教育委員会関係者が含まれていることがあります。
 そうした委員がいた場合、後述するとおり教員の聴き取りには支障がありうるので、重大事態調査を行う際には、これら委員を除いて調査委員会を構成する必要があると思います。(神奈川県では除いていました。)

4 保護者が調査を希望しない場合
 重大事態調査は、保護者が調査を希望しないからといって、条文上これを行わないですませるわけにはいかないと思います。
 仙台市の事案はまさに保護者が希望しなかったことから初期段階で生徒へのアンケート調査等が実施されなかった例ですが、今後はそうした対応は許容されないことでしょう。
 当然ながら、保護者のうち一方が調査を求めているにもかかわらず一方が反対するから調査ができないなどということはない、ということになるでしょう。
 なお、重大事態調査ガイドライン11頁は、「調査の開始に際し弁護士に重大事態に該当するにも関わらず、対象児童生徒・保護者が望まないことを理由として、重大事態として取り扱わないことは決してあってはならず、対象児童生徒への支援や関係児童生徒への指導及び支援等も行わなければならない。」「重大事態調査は、対象児童生徒・保護者が希望する場合は、調査の実施自体や調査結果を外部に対して明らかにしないまま行うことも可能であり、学校の設置者及び学校は、対象児童生徒・保護者の意向を的確に把握し、例えば関係児童生徒等への聴き取り等を行わず、学校の記録の確認等から事実関係を整理し、再発防止策の検討を行うなど、調査方法を工夫しながら調査を進めることが考えられる。また、調査報告書を公表しないことも考えられる。」としています。


5 再調査機関による並行調査
 いじめの防止等のための基本的な方針(平成25年10月11日文部科学大臣決定。以下「国の基本方針」といいます。)では、
「なお、従前の経緯や事案の特性から必要な場合や、いじめられた児童生徒又は保護者が望む場合には、第28条第1項の調査に並行して、地方公共団体の長等による調査を実施することも想定しうる。この場合、調査対象となる児童生徒等への心理的な負担を考慮し、重複した調査とならないよう、第28条第1項の調査主体と、並行して行われる調査主体とが密接に連携し、適切に役割分担を図ることが求められる(例えば、アンケートの収集などの初期的な調査を学校の設置者又は学校が中心となって行い、収集した資料に基づく分析及び追加調査を、並行して行われる調査で実施する等が考えられる)。」
とされていますので、頭には置いておいた方がよいと思います。
 特に、私学の場合には、知事による並行調査が有効な場合もあろうかと思います。

6 会合の場所
 委員の便宜を図り、ターミナル駅近くに調査委員会の会合の場所をとってくれることがあります。
 その場合、外部への音漏れには注意してください。

7 調査方針の確認
 調査開始に先立ち、初回の委員会で、調査方針を確認しておくのもよいと思います。
 項目については、重大事態調査ガイドライン31頁に例示されています。
他の委員の方々にも、第三者委員会が開かれる意味=いじめ防止対策推進法が、重大事態の調査について「公平性・中立性が確保されるよう」調査機関に第三者等の参加を求めている(同法案に対する衆議院文部科学委員会附帯決議三、参議院文教科学委員会附帯決議六)ということを確認してもらう機会にもなると思います。

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