(9)専門家の意見の扱い (10)児童生徒やその保護者の意見の扱い
(9)専門家の意見の扱い
専門家の意見は尊重すべき、とは一般論ではいえるでしょう。
ア 実践したらどうなるか
しかし、専門家は専門分野については通じていても、専門家の意見に沿った実践をした場合にどのような結果が生ずるかについては必ずしも明るくありません。
たとえば、一旦児童生徒側に約束していた方針等について、専門家の意見に基づき変更する際には丁寧な説明が必須でしょうし、場合によっては約束の意義を専門家によく説明して改めて意見を求めるとか、さらには専門家の意見を採用しないといったこともありうるでしょう。
イ 正しく十分な情報を
また、専門家には、正しく十分な情報を与えないと判断の誤りにつながります。
たとえば、ある児童生徒にはある支援を既に行いながら、別の児童生徒にはそうした支援を拒絶するということになると、紛争が生ずるかもしれません。
そうした場合、「ある児童生徒にはそうした支援を既に行った」という情報を与えないまま、別の指導生徒について「そうした支援を行う義務はあるか」と弁護士に尋ねれば、そうした支援を行うかどうかは学校の裁量である、との一般論で回答してしまい、紛争発生を止めることはできないでしょう。
なお、専門家に正しく十分な情報を敢えて与えないなどして、お墨付きを得ることを目的とするような専門家の利用は、論外です。
(10)児童生徒やその保護者の意見の扱い
児童生徒やその保護者の意見は一般論として考慮すべきです(子どもの権利条約第12条意見表明権)。
しかし、児童生徒やその保護者の意見のとおりにしなければならないというわけではありません。
その一方、児童生徒やその保護者の意見のとおりにしたからといって、その対応が妥当と許されるわけでもありません。
児童生徒やその保護者の意見は考慮しつつも、その採否については学校が学校の責任において教育の専門家として判断する、ということになるでしょう。