オ 事実が膨大な場合

2021-12-22

「いじめ重大事態調査委員(いわゆる第三者委員)となる方のために」の連載記事です。目次とあわせ,お目通しください。(小池)

オ 事実が膨大な場合

重大事態調査開始の際に,これまでの事実経過が資料で示されますが,その膨大さに圧倒されそうになることがあります。

ある少数の事実の有無について争いがあり,これが重大事態発生について大きな影響を有する場合には,その部分については関係者の聴取等十分な調査を行い,判断理由を示した上で事実認定する必要もあるでしょう。

しかしながら,中小の出来事が積み重なり膨大となった事案においては,一つ一つの事実について調査委員会による聴取を基にした事実認定を行っていたのでは,時間がいくらあっても足りません。特に関係者多数の場合,聴取記録を事務局に作成させるのであればともかく,そうでなければことごとく事情聴取するのは困難です。

こうした場合には,関係者間に争いのなさそうな事実については資料からそのまま認定し,関係者間に若干の争いがある事実については両論併記するような形も許容されるのではないでしょうか。

特に,「いじめ」そのものではない,問題発覚後の大人同士の対応などは,両論併記が活用されてもよいと思います。

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