言行の整合性または岩井俊二のこと

2017-05-19

 NHK東日本大震災プロジェクトのテーマ曲で使われている「花は咲く」が好きです。菅野よう子の作曲もさることながら、岩井俊二の歌詞が好きです。特に、「傷ついて 傷つけて~今はただ 愛おしい」のくだりが特に好きです。内省的な歌詞で読んでいるだけでも胸に染み入るものがあります。
 通常の場合 人に傷つけられることはあるでしょうが、意識的または無意識的に人を傷つけてしまうこともあると思います。しかし、人は傷つけられたことは覚えていても、傷つけたことはなかなか覚えていません。相互関係ではなく一方通行として捉えてしまうように思います。その感性が、様々な誤解や紛争を引き起こすことを実感しています。岩井は、相互性を明確に自覚していると思います。
 そのような歌を作る岩井とはどんな人だろうと調べてみると映画監督であることを知りました。そして、中国人による日本企業の工場や商店に対する破壊・略奪・放火が頻発した2012年の中国における反日活動に関して、ツイートで「国(日本政府)があの島(尖閣諸島)を買うことがどれだけ挑発的か考えるべきだ」「侵略された国(中国)がまだ怒っていても当然」等の政治的発言をしていることを知りました。
岩井の意見に同感します。相手の立場を考えない一方的な非難は説得力がありません。長いタイムスパンで、日中の関係を振り返り、考えないと正確な認識は得られないと思います。
 「傷ついて、傷つけて」と歌う岩井の感性に共感します。また、言行の整合性が見事であると思います(山森)。

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