稲村ヶ崎または意外に近いところにあった戦争

2014-06-27

稲村ヶ崎温泉に行った。多少高いが、いつも空いていて気持ちのいい温泉である。稲村ヶ崎は映画「稲村ジェーン」の舞台となった場所である。
 ところで、稲村ヶ崎の歴史をしらべたところ、稲村ヶ崎突端部に横穴があり、それは、140師団の作った横穴陣地であることを知った。140師団とは太平洋戦争末期本土決戦に備えるために急造した沿岸配備師団で司令部は片瀬にあった。しかも、特攻隊伏龍隊の待機基地があったそうである。伏龍は人間機雷のことで、潜水具を着用し、棒付きの機雷を手にした兵士が、米軍の上陸用舟艇を迎撃する予定であった(以上、ウイキペディア)。
 横穴は確認したので、基地の跡がみつからないか調べてみたが、わからなかった。
 しかし、70年前、ここで本土決戦に備えた基地があったかと思うと感慨がある。しかも、本部は私の住んでいる片瀬である。伏龍は、特攻機や人間魚雷回天などと比較しても原始的でとても実戦の役に立つとは思えなかった。実際、事故が相次ぎ、実戦を迎えずして終戦になった。まさに、人をもののように扱う兵器で、心胆寒からしめる思いがする。それにしてもこんなみじかな場所にこんな恐ろしい施設があることを知らなかった(山森)。

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