役員から多額の借入金がある場合の節税相談

2017-06-11

会社が社長から多額の借入をしているということは往々にしてあることだと思います。
さて,そのような状況の下で社長がなくなった場合,相続税はどうなるでしょうか。
今回は2回に分けて,これについて説明したいと思います。

会社の株主が社長のみの場合を前提とします。

その場合,まず,その会社の株式を評価する必要が生じます。
事業規模が小さな会社の場合,取引相場のない株式の評価は純資産価額で評価することとなりますが,社長からの借入が多い会社の場合,たいてい赤字続きであることが多いので,純資産額がマイナスになっていることと思います。
そうすると,結局株式を評価してもゼロになるので,これについて相続税がかかることはありません。

では,社長の会社に対する貸付金はどうでしょうか。
これは,帳簿価額,つまり債権額で評価されてしまいます。確かに,会社には資金がないので,返済は事実上困難かも知れませんが,額面上1千万なら1千万,1億なら1億として相続税の上では申告しないといけないのです。

社長貸付金はこのような理由により,相続税の高額化の原因となるので注意が必要なのです。

(湘南合同法律事務所 弁護士 税理士 志田一馨)

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