RATAC研修を受けて

2012-12-10

11月22日から5日間、40時間のRATAC研修を受け、認定証を頂きました。

RATACとは、性虐待を受けた子どもから事実確認面接をするメソッドのことです。あまり聞き慣れた言葉ではありませんが、このような面接を司法面接と言います。

性虐待を受けた子どもからその事実を聞くには、高度な専門性が要求されます。
心身ともにぼろぼろに傷ついた子どもに対して、さらに傷がつかないように、そして大人が誘導することなく、正確な事実を聞き出せるよう質問をすることは至難の業です。そのために、RATAC研修では、子どもの発達心理学や、医療、法律、子どもとの接し方・話し方等、分野横断的な講義があり、模擬面接等の演習もありました。

ところで、アメリカではすでに司法面接が広く利用されています。一方、日本では、司法面接はおろか、警察官、検察官、児童相談所、そして裁判が開かれれば裁判官がそれぞれ何度も何度も子どもに、消してしまいたい辛い記憶について質問するのが当たり前になっています。司法面接が制度として導入されれば、このような質問はたった1回の司法面接で済ませることができるのです。

一日でも早く、日本でも司法面接が浸透することを臨みます。

私が参加した5日間の研修には、さまざまな職業の方が集まり、検察官、警察官の方々も参加されていました。こういった方々と私たち弁護士とは、刑事事件等の場面で通常は争う関係にあります。だけれども、今回は、子どもを守りたい、という同じ目的のために同じテーブルを囲んで勉強をしている・・・そんな研修風景に少し感動を覚えました。今後も、職種を問わず、それぞれ大人が自分の専門的知識を持ち寄り、子ども虐待事件で良い連携を作れたらと思います。(立石結夏)

 

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