2 作成作業の分担
「いじめ重大事態調査委員(いわゆる第三者委員)となる方のために」の連載記事です。目次とあわせ,お目通しください。(小池)
2 作成作業の分担
(1)資料を明記
本文は調査委員間で分担して執筆する場合が多いと思われます。
取りまとめをする委員としては,他の委員に,どこから引用してきた事実なのか,出典となる資料を明記するよう注意しておく必要があります。
どこから認定した事実なのか書いておかないと,後でその認定根拠を探すのに一苦労します。
まずは,資料に番号を付け,これを一覧表にした上で,次のようなお願いを,口頭だけではなく,文字に書かれたもので行うのがよいと思います。
・事実を挙げるときには,資料のどこから引用したのか番号と頁を必ず明記してください
・資料をそのまま引用する場合は「 」を用い,それ以外の場合は「 」を用いずに言及してください
・(表記の統一について)
調査報告書の完成版において資料の一覧表をつけるか,文中の資料番号・頁を残すかは適宜検討していただければ結構ですが,中途では必須でしょう。
(2)事務局への依頼
調査委員は議論するだけで,とりまとめは教育委員会事務局が行うという方法は,調査の中立性を害し,あるいは疑念を招きますので,避けるべきです。
認定,判断の中核部分は調査委員が是非とも作成すべきでしょう。
しかし,調査報告書作成の全てを調査委員が担うのは現実的ではありません。
ア 校正・表記の統一・体裁の整序
これについては,事務局に任せて問題ないと思われます。
膨大な報告書になると,この作業だけで,とてつもなく大変です。
イ 前提部分の起案
報告書の項目にもよりますが,学校の概要とか調査の経過といった前提部分については,事務局に起案してもらってもよいのではないでしょうか。
ウ 事実認定部分の確認
事実認定部分について,資料との整合があるかどうかというレベルであれば,事務局に確認してもらってもよいのではないでしょうか。