視野から欠落していたことまたは被爆体験

2015-08-06

 もうすぐ定年退職する世代であるわたしの世代では、被爆者の体験というと、またあの話かと思うように定型的なイメージがあります。
 ところがクローズアップ現代(8月5日ヒバクシャの声が届かない~語りの現場でなにが~)をみていたらゲストの直野章子準教授が、以下の指摘をしていました。
 そもそも、圧倒的多数は語っていない。
 また、語ることは並大抵のことではない。
 しかも、核心的なものは語れない。定型的な仕方でしか語れないものがある。
 この指摘は私の視野から欠落していたことです。被爆体験のごく表層しか見ていないかもしれないことを思いました。なるほど、核心的なことは語れないです。それが核心であればあるほど語るのが難しくなります。月並みな言葉でお茶を濁してしまうことはよくあることです。そんなことを思いながらあらためて被爆体験に耳を傾けたいと思いました(山森)。

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