どこかで聞いたような話または外務省機密漏洩事件のこと

2017-06-04

 大学新設で、内閣府から文科省に「総理のご意向」と伝えられた文書が本物であると元文科省事務次官が証言した。ところが、これと前後して元事務次官は出会い系バーに通ったということが報道され批判されている。読売新聞がスクープをして、産経新聞が盛んに報道している。
 しかし、どうも既視感がある。いまから40年以上前の外務省機密漏洩事件である。あのとき、沖縄返還を巡って日本とアメリカに密約があったと毎日新聞が報道した。ところが、報道した新聞記者の取材方法が、いわゆる外務省の女性事務官と「密かに情を通じ、これを利用して」であったことが批判され、沖縄密約の問題はどこかにかき消された。そのときはまだ子供であったが、どうして女性問題についてばかり報道する報道機関に対する違和感が残っている。そして、日米で沖縄返還に際して真相の解明に40年を経て岡田外務大臣のもとで行われ、密約が存在し、原状回復費等の支払がなされていたことが判明した。当時の政治家・官僚の答弁は嘘であったことが判明した。
 出会い系バー報道に話を戻すと、この報道の背後に誰がいるのかわからない。
 しかし、1元官僚は政権を批判している。その批判している元官僚が失脚すると利益になるのは政権である。
2出会い系バーに行っていたということを知るためには、高度な諜報機関が必要である。
3その情報を大新聞が報道するのは、情報源は大新聞と信頼関係にあるとみてよいだろう。
 そのように考えると出会い系バー報道には政権党もしくは政権党に近い人が関わっていると理解するのが常識的であろう。これは、恐ろしい。時の政権の政策に対立することを主張する者は、プライバシーが侵害され社会的生命を失いかねないということになるからである。日本が人権侵害を鋭く批判している北の国の行動と同じではないだろうか(山森)。

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