持続する意思または選挙のこと

2012-12-17

2012年の衆議院選挙は民主党の大敗北、自民党の復活、維新の会の躍進等、激動の選挙でした。驚嘆することばかりで、語ることは沢山ありますが、ミネルバのフクロウは夕べにやってくるのだそうで、もう少し時間が経たないと事態が見えてこないように思いますので語りません。

ここでは、九州の選挙区で大学時代の友人が国会議員に初当選したことに感慨を覚えましたので、そのことについて語りたいと思います。

随分昔、司法試験の勉強をしている頃、その友人と高田馬場で偶然会ったことがあります。友人は商社マンでしたが、今の仕事をつづけていいのか悩んでいました。その後、友人は10年勤めた会社を辞めて松下政経塾に入りました。地方公務員をやめて司法試験の勉強を始めた私の選択が友人に一定の影響を与えたと思っています。政経塾卒業後、友人は何度か選挙に立候補したのですが、思うようにいかず、編集者をやったり、政治家秘書をしたりしていました。何年かに1回くらい偶然に会ったりする機会があったのですが、決して順風満帆な人生であるようには思えませんでした。なかなか司法試験に通らなかった私の人生と彼の人生には重ね合うところがあるように感じていました。

しかし、彼は、ついに今回当選しました。政経塾を卒業して20年経過しています。新聞の写真で見る友人の顔は昔の面影は残していますが、経てきた年月の重みがあり、強靭な意思を感じさせます。偶然で国会議員に当選できるわけはありません。地盤も看板もなく弱小政党に所属する友人が当選するにいたるまでには、何年にも渡る地道な努力があったのでしょう。それを人知れずずっと続けてきのかと思うと、胸にこみ上げてくるものがあります。星雲の志を持続してきたのかと思うと、感慨を禁じえません。

翻って、同時代を生きてきた自分は何をしてきたのかと省みて思うことがあります。フィールドは違いますが、及ばずながら、私も、自分の意思を持続させたいと思います(良)。

 

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