過払い金回収の弁護士選び

2013-04-18

当事務所の弁護士が、過払金請求の訴訟で某簡易裁判所(藤沢ではありません)に行ったところ、裁判官から次の趣旨の発言をされたとのことです。

1 過払金請求事件の和解の相場は6割である

2 本件は弁護士があまりに頑張るので10割にした

当事務所は過払金請求事件で食っているわけではありませんので(!)、私は相場には詳しくありません。
ただ、少なからぬ事件が、訴訟にいたっても6割で和解しているらしいという事実は、衝撃的でした。

依頼者の方々は、過払金返還請求事件の弁護士を選ぶ際、何に注意されるでしょうか?
私にいわせてもらうと、テレビで広告しているとか、弁護士の経歴が立派だとか、何件の実績があるとか、そういうのは関係ありません。弁護士報酬もあまり問題ではないと思います。

最重要なのは、処理方針です。

私の場合、一部例外を除けば、過払金は利息も含め全額回収する、という方針です。
ちなみに、異論はあろうかと思いますが、アイフルは例外とはしていません。
この方針ですので、当然訴訟になる確率は高いですし、強制執行も辞さず、というつもりでいます。
当然、訴訟をやる分時間はかかりますが、近年サラ金側の和解条件(特に訴訟提起前)は、低額な上に支払いが遅い場合が目立ちますので、訴訟のデメリットはあまり感じません。

例を挙げてみましょう。
単純にするために、100万円の過払金が1年前に発生していたとします。
そうすると現時点で、本来であれば、100万円+遅延利息5万円が回収できることになります。
ところが、過払金元本100万円の6割で和解した場合、弁護士報酬を得られた金額の1割に抑えても、お手元には54万円しか行きません。利息を含めての6割でも56万7000円です。

これが、5割、4割の和解だったらどうなるか?
(訴訟での和解の「相場」が6割だったら,訴訟をしない場合の「相場」は当然もっと低いはずです。)

私の場合、過払金の回収については、着手金で1件2万1000円、報酬金は回収した金額の2割+税というのが基本です。
仮に訴訟をやって、1年後に回収したとすると、110万円がサラ金側から支払われ、そこから着手金の2万1000円、報酬金の23万1000円を引いて考えると、お手元には84万8000円が残ります。もちろん、何らかの事情で回収ができなかった場合には、2万1000円については「損」ともいえますが…。

処理方針の重要性がご理解いただけるでしょう。
弁護士報酬の安さ,というのも,処理方針次第では,依頼者の方々にとってはあまり意味のないことになります。

ということで、過払金返還請求を依頼される場合、決め手は処理方針です。
誰に依頼するか比較検討するのであれば、処理方針を確認するのがよいでしょう。
きっちり回収しようとする弁護士は、処理方針を喜んで説明すると思います。
(小池拓也)

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